2013年8月24日土曜日

りゅうたまのGM向けTips

 以前にこちらにまとめていただいたものがこちらで引用されたりしているわけですが。
 わあ、恥ずかしい。と思ったわけです。
 というわけで、補記というわけではありませんが、いくつか思うことを書こうと思います。
 ちなみにりゅうたま、というTRPGシステムはこちらで無料公開されています。公式ブログの記事も大変参考になりますので、ご興味をもたれた方はごらんになってください。

 ◆旅歩き
 私が旅歩きをシナリオに盛り込む理由のうち、一番大きなものは「キャラクター付け」です。
 たとえば、旅歩き判定(特別疲れたり、身体を痛めたりせずに歩きつけるかどうか、の判定です)で、周りが成功しているのにあるキャラだけ失敗したりすると「ああ、あいつは身体が弱いんだなぁ」とか「都会っ子なので旅は苦手なんだなぁ」というイメージを抱くことができます。
 判定の結果に積極的にイメージを付けることで、キャラクターのイメージを深めていく使い方です。
 誰かがサポートをしたから野営チェックが成功した。彼が方向チェックをすると得意分野のはずなのになぜか毎回失敗する。
 そういった旅情の風景をうまく表現すると、旅歩きをするだけで豊かな物語が生まれたりします。
 また(これを言うと意外な顔をされたりしますが)りゅうたまの旅歩きは過酷ではあるものの、それ自体でキャラクターが死んでしまうようなことはあまりありません。
 (失敗し続けて食料と水をすべて失って初めて判定にマイナスの修正が加わり始め、しばらくそれが続くと最終的には倒れてしまいますが)
 なので、トラブル続きの旅になってしまっても突然悲惨な結果が生まれたりすることがないのもよい点だと思います。

 まず気楽に旅歩きをして、生まれたキャラクター性を生かしてシナリオを引っ張っていく、というやり方が気楽にできるというのは、りゅうたまの強みですね。 

 ◆竜人(ゲームマスター用キャラクター)
 りゅうたまには、GMが「竜人」というキャラクターを作成し、物語に登場させるルールがあります。
 竜人が(システム的に)できることは
 1、化身として旅人の前に現れて旅人を導く
 2、ブレスを使用して旅人の手助けをする
 3、竜人の色(司る物語の種類で変わります)によってシナリオの方向性を明示する
 あたりが挙げられると思います。
 
 1、化身
 竜人は普段は竜のような翼としっぽを生やした人間の姿をしていますが、別の姿に変身して旅人の前に登場することができます。
 こう書いてしまえばこれだけですが、ルールとしてGMがNPCを登場させ、PCを導くという行為が規定されているだけでそれを行うハードルが格段に下がるというのは、強みだと思います。
 シナリオに竜人の登場シーンを盛り込まなくても、困ったときのために覚えておいて損はないルールです。

 2、ブレス
 ブレスとは、竜人が起こす奇跡のことです。(お決まりのネタですが、いわゆる吐息である必要はありません、いや、吐息で行うという演出でもよいのですが)
 ブレスは判定をクリティカルに変えたり、時間を巻き戻す/未来へ吹き飛ばす、旅歩きを成功させるなどの強力な効果を持ちます。
 他システムにもこういったブレイクスルー能力はありますがそれらとの違いは、GMの用意するキャラクターが使用するということで、シナリオの流れを読んで使用の提案をすることができる。という点です。
 きつめの旅歩きを用意したけど大丈夫かなぁ、というときは事前に旅歩きが楽になるようなブレスを選択しておくというような使い方ができるため、シナリオ作りが楽になると思います。

 3、色によるシナリオの方向性の明示
 竜人には緑、青、赤、黒という色(イメージカラー)があります。
 それぞれ、緑=一般的な冒険旅行 青=家族、絆 赤=戦い、競争 黒=死、復讐、サスペンスなど と、取り扱いやすい物語が違います。
 これらを事前にPLに提示することで、今回の雰囲気はこういうものだよ、と伝えることができます。
 また、それぞれの色によって使用可能になるブレスがあり、シナリオ中に想定した方向へ導くこともできます。

 ◆街づくり(世界づくり)
 街の設定をみんなで作っていこう、というルールです。色々な使い方ができるルールです。
 例えば、PLの意見を採用することでシナリオに愛着を持ってもらい、モチベーションを高めることができます。
 また、シナリオのネタが思いつかないときは、先に街を作ってもらってそこからネタを拾う、という使い方もできます。
 実際、街づくりを行い、それに登場したものを盛り込んだ旅歩きをするだけでかなり出来合いのシナリオっぽくなると思います。
 世界づくりはそれの世界版で、キャンペーンを行うときに使うとうまく機能するでしょう。

 ◆一般的なシナリオをりゅうたまっぽくする
 逆に、一般的なシナリオの作り方をりゅうたまっぽくする。という方向性で考えてみます。
 シナリオによく盛り込まれるダンジョンアタックやシティアドベンチャーを行う部分ですが、これを思い切って旅歩きに置き換えてしまうというのはおすすめしたいやり方です。
 例えば、ダンジョンアタックは旅歩きの判定をしつつ、途中に何らかの判定(敏捷+敏捷でしのび歩き、敏捷+知力で罠探知、体力+敏捷で割れ目を飛び越える など)をはさんでそれっぽくすることができます。
 失敗したら、戦闘を行ったりダメージを与えたり、方向チェックのように進める距離を縮めるのもりゅうたまらしい解決方法だと思います。
 情報収集は、情報を持っているキャラクターが旅歩きをしないと行けないような距離にいる。という置き換えをするとそれっぽくなります。
 例えば、盗賊ギルドでの情報収集を「情報を持っている盗賊は身の危険を感じて次の街に逃げてしまった。できるだけ早く旅をしてあいつに追いつかないといけない」とするだけで、りゅうたまのシナリオの出来上がり、というわけです。
 
 色々と書きましたが、何かの参考になれば幸いです。
 ルールブックにも、GM向けにページが割いてあり、参考になる内容になっていますので、そこにも是非目を通されてください、公式ブログの記事も参考になります。
 また、おれはこういうりゅうたまの遊び方をしてるよ!という話があればぜひお聞かせください。

 個人的に、りゅうたまというシステムは「判定をさせて、結果を盛り上げる」とうまく回るシステムだと思います。上記に挙げたようにシステムがそれをサポートするような使い方ができると感じるからです。
 そして、それはそんなに難しいことではなく、旅歩きをする理由を作り、ゆっくり旅歩きをしてもらって、思ったこと/感じたことを素直に口にしてわいわいと遊ぶ、それだけのことだと思います。

 せっかく無料ですし、りゅうたまに一度触れてみてはいかがでしょうか?おすすめですよ。

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